本法人が事業を行っている山形県上山市(かみのやまし)は、山形市の南に隣接する、人口3万5千人ほどの市ですが、65歳以上の人口の比率(高齢化率)が約30%と高く、核家族化も進んでいます。
また、市の面積が広いため、中心市街地から周辺地域まで、放射線状に路線バスが運行されていますが、利用者が減少し、路線の廃止や便数の削減が行われています。
このため、バスなどの公共交通機関を利用できない介護認定者やしょうがい者の交通の確保が課題になっています。
平成18年に道路運送法の改正により、福祉有償運送事業が現行制度になり、近隣の市では福祉有償運送事業が行われていました。しかし、必要性は高まっていたものの、上山市には実施団体がありませんでした。
そこで、独自に開発した GISを利用する乗合交通システム を使って、地域交通のニーズに応えるべく、福祉有償運送事業を開始したものです。
高齢者社会を迎えて、在宅医療や在宅介護の必要性が増しています。介助なしでは公共交通機関を利用できない方が、今後ますます増えることが予想されます。
本法人は、こうした交通面で弱い立場の人たちの生活を側面から支えるため、介護認定者やしょうがい者の交通手段を確保し、通院や買い物等の利便性を向上させることにより、安心して生活できる地域社会をつくる、その一端を担いたいと考えています。
地域社会は自助、共助、公助といわれますが、共助の活動が、今後とも充実できるよう、サービスの向上につとめてまいります。